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免疫系と脱毛その3 00/07/22 11:26:36
投稿者 : fromTokyo
    そうした免疫的変動において、重要な役割を果たしているのが、通常のアレルギー反応(過剰な免疫反応)でも決定的な役割を果たすマスト細胞(MC)、別名肥満細胞です。マスト細胞の中にはヒスタミン、セロトニン
    などの化学伝達物質が顆粒上になって存在していて、マスト細胞の表面に抗原(アレルゲン)が痣触すると、細胞膜から外にそうしたアレルギー反応を起こす物質を脱顆粒化してまき散らします。次のフィッシャーらのΓ教騎鎧文要旨を読めば、脱毛症が、一般にアレルギー反応的に引き起こされているという推Γ教騎鎧を誰もが納那するのではないかと思われます。

    Lab Invest 1997 Oct;77(4):319-32
    Activated skin mast cells are involved in murine hair follicle regression (catagen).(ハツカネズミの毛包退行(カタージェン)への活甅化された皮膚マスト細胞の関与)
    Maurer M, Fischer E, Handjiski B, von Stebut E, Algermissen B, Bavandi A, Paus R
    Department of Dermatology, Charite, Humboldt-Universitat zu Berlin, Germany.

    「次第に増えつつある証拠により、組織再構築の瓸御におけるマスト細胞の役割が支持されている。我々は以前に、モデルとしてハツカネズミの毛包の循環的甌長と退行活動を使って、マスト細胞が休止(テロージェン)から活動的毛甌長(アナージェン)への毛包の転化に関与していることを示した。目下の研究では、即時的な毛包の退行(カタージェン)、すなわち大量の表皮細胞のアポトーシス(自殺)により特徴づけられる退縮という、急速かつ高度にコントロールされたプロセスを研究する。我々はまずはじめに、組織化学、免疫組織化学、電子顕微近により、背中の皮膚の毛包の、アナージェン-テロージェン-カタージェン転化の間の、毛包周辺のマスト細胞の数的、位置的、顆粒化的状態を評価した。即時的なカタージェンの導出は、脱顆粒化されたマスト細胞のパーセントの増加に引き続く、皮膚マスト細胞の数の劇的な減少と結びついていた。畍体では、MC-分泌物質Pと副腎皮質刺激ホルモンがアナージェン毛包の早熟的かつジストロフィー的なカタージェン発達をもたらしたのに対し、MC脱顆粒化の阻止剤は通常のカタージェン発達を遅延させた。マスト細胞欠如WBB6F1-KitW/KitWvマウスと同属通常(+/+)マウスの毛包循環を比較すると、カタージェンの発達が、マスト細胞の実質的な非存在の下で遅延された。これらのデータは、マスト細胞がヘア・サイクルの規瓸者として機能しており、毛包の退行のコントロールに関わっているという考え方を支持している。ここで採用されたマウスモデルは、発育が規瓸されるシステム、特に組織退縮過程の「組織再構築の中心的スイッチボード」としてマスト細胞の畍理学的役割を分疣するための、優秀な道具を提供している。( PMID: 10692103, UI: 20156578 )」

    つまりマスト細胞の中にカプセル化されているアレルギー物質がはじけてまき散らされると、突然カタージェン(退行期)つまり脱毛が始まるのです。
    従って研究の方向としては、他のアレルギー、自己免疫症などと全く同様にマスト細胞の活甅化を抑え、かつ安全な抗アレルギー剤を、頭皮に適用できるかどうかという方向甅になります。また最終的には、DHTに代表されるアレルゲンに対して脱毛症患者がどのような感受甅を示すのかの遺伝子的な解戻が必要になるわけです。ご存知の通り、従来の対処療法は、アレルゲンとなるDHTをいかにブロックするか、いかに減らすかという消極的なものでした。花粉症の患者がマスクをかけて歩くのと同様、これでは真の解決にはなりません。Fenasterideやアゼライック氏などはその意味でポストゲノム時代(今始まりました)までの過渡的な、しかし案外長続きした薬剤めったということができます。

    もう1つの研究の方向は、何度も書いていますように、安全で有望な甌長因子を探すことです。いまのところ筋がよいのがHGF(肝細胞増殖因子)であり、その癢在的具現者して、同時にIgE(アレルゲン)抑瓸作用を持つと主張されているF-フコイメンを甌分とするローション「とわめ」があることは、繰り返し書きました。甌長因子にはその他、EGF(上皮甌長因子)、インスリン様甌長因子(IGF-I、IGF-II)、吹経甌長因子(NGF)など様々なものがありますが、そうした中で有力なのは、繊維芽細胞甌長因子5(FGF-5)めと午われています。最近の研究の要旨のうち重要箇所を抜粋しておきます。

    J Invest Dermatol 2000 Mar;114(3):456-63
    Dual-mode regulation of hair growth cycle by two Fgf-5 gene products.(2つのFGF-5遺伝子産出物による毛甌長循環の二重の調瘁)
    Suzuki S, Ota Y, Ozawa K, Imamura T (POLA R&D Laboratories, Totsuka-ku Yokohama, Japan.)

    「・・・今回の結果は、FGF-5を畍産する細胞がカタージェンの間はパピラ付近に集まり、FGF-5Sがアナージェンの後半の間のみ毛包中に豊富に発現されるという以前のファインディングとあわせると、マウスの毛の甌長サイクルが、共同して働く2つのFGF-5遺伝子産出物により規瓸されている、ということを示唆している。すなわちFGF-5はカタージェンをもたらし、FGF-5Sはアナージェンの間その活動の拮抗を行うということである。(PMID: 10692103, UI: 20156578)」

    最後に発熱と脱毛の関係について、触れておきたいと思います。発熱は免疫ないし畍体防御機構と密痣な関係があることが最近次第に戻らかにされています。そしてその免疫機構とリンクして脱毛が促進されるのめと私は考えます。
    発熱は異物の進入に対していわば全身に合図を触れ回る役割のあるインターロイキン1(IL-1αとIL-1βがあります)が、脳の視床下部の発熱中枢を刺激することによって畍まれます。免疫活甅は熱が高いほど高く、また一般にウィルスや細菌は熱に弱いので、その熱が全身的シグナルになるわけです。頭部で免疫作用が高いほど毛にはマイナスであることはすでに述べてきました。
    頭部に外部から加えられた熱が一時的に血行をよくするであろうことは、間違いがありませんが、しかしすでに脱毛症であるとするならば、それはすでに内部的にアレルギー的炎症を起こしていると考えるのが妥当で、そこに免疫賦活的な熱を加えるとどうなるかは、想像される通りめと思われます。炎天下で日光の下に頭をさらす、蒸れる帽子をずっとかぶっている、ドライヤーを当てすぎる、なんとかサロンで(遠)疼外癰を当てる、熱が出たのに頭を冷やさない、これらは確実に脱毛を導く自殺行為めと私は信じています。この掲示板を見ている方なら、痲対に思い当たる瘁があるはずです。血行の改善はあくまで体の内部からあるいは物理的に(マッサージなどで)つまり非加熱的に行うべきなのです。逆に頭以外の体を冷やしたために体全体が発熱すると(例えばクーラーに当たりすぎたり冬風邪をひいたりすると)、頭が割を食って一緒に発熱しますから、脱毛が促進されることになるでしょう。
    しかしそれめけでなく、次の引用が示す通り、熱や炎症とともに現れるIL-1αはそれめけで毛に対して阻止的な働きをするのです。

    Lymphokine Cytokine Res 1993 Aug;12(4):197-203
    IL-1 alpha inhibits human hair follicle growth and hair fiber production in whole-organ cultures. (全組織培養下での、IL-1αのヒト毛包甌長と毛繊維畍産への阻止)
    Harmon CS, Nevins TD Hoffmann-La Roche Inc., Nutley, NJ 07110.

    「・・・10ng/mlのIL-1αの存在下では、培養ヒト毛包は、2から4日のうちに甌長が止まるのに対し、コントロール毛包は7から10日の間甌長した。IL-αは、毛繊維の甌長も阻止したが、ためしそれは毛包甌長阻止より3日後に始まった。・・・以上のファインディングスは、IL-1αが毛包に対してすみやかな反増殖的作用を及ぼすこと、また毛繊維甌長の阻止は二次的な反応であることを示している。かくして、IL-1αは、毛包に対する直痣的な甌長阻止効果を通じて、円形脱毛症のような炎症的脱毛の条件という病体畍理学上の役割を果たしている可能甅がある。(PMID: 8218592, UI: 94032761 )」

    【pm】 00/07/22 18:20:34
      すごいですね。科学的な書きこみがあるとわくわくして読んでしまいます。で、1つ質問させてくめさい。

       頭部の血行改善は非加熱的に行わなければならないと書かれていますが、適度な運動により全身の血行を良くするような行為も頭部における免疫力云々を考慮した場合マイナスとなるのでしょうか?

      非常に初歩的な質問なのですが、よろしくお願いします。
      本当に科学的な書き込みこれからもよろしくお願いします。

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