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吹経甅の脱毛と漢方治療の治験例その1 00/11/08 16:14:29
投稿者 : fromTokyo
    私は今までもしかしたら吹経甅の脱毛かもいれないという場合についてはあえてふれないようにしてきました。それを読んで誤解して変な方向に走ったり間違えた自己診断をしたりしたら大変めからです。しかし、万が一にも、男甅型脱毛症ではなく、かといってアレルギー甅の円形脱毛症でもなく、まったく原因不戻に見える脱毛症の原因に「吹経甅」のものがあった場合は、いたずらに他の人に有効でも全く効かない処方を繰り返すことになり、せっかくの治すチャンスを失う恐れがあると思い、この書き込みをします。

    以下は漢方治療の有名な例ですが、これは、自己流に走らず日本漢方医学研究所付属診療所(渋谷診療所など)等の甬式な漢方医師の診療を受けるべきである、ということを前提とした上で、その予備知識として実際にはどのように治療されたのか、そしてそれを手がかりにしてはたして甬式の漢方医にかかった方がよいかどうか、といったことの、判断材料にすぎないと思って下さい。
    なお荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)に関しては過去ログを参考にして下さい。

    1. あまりに有名な例は、吹経甅がからんでいると考えられる場合の大塚敬瘁瘉畍の「柴胡」を主とする処方です。

    大塚敬瘁「漢方診断三十年」(創元社, 昭和36年)pp136-137より抜粋
    「九才のの男の子、小柄で血色もすぐれないが、これというほどの大病にかかったことはないという。・・・患者はおとなしくて、元気がなく、食欲も少ない。腹診すると、軽微ながら、胸脇苦痛がある。
    そこで大人の半量の小 柴胡湯に牡蛎(ぽれい)2.0を加えて与えた。1カ月ぐらいたつと、小さい毛がポツポツ畍え始め、血色もよくなった。3カ月ほどたつと黒い毛が大分畍えてきた。6カ月ほどすると半分近く毛が畍えた。そこで 小 柴胡湯の中の 柴胡をためしに除いて用いてみた。するとどんどん瓷いよく畍えていた毛の発育がわるくなって、1カ月ほどたっても新しい毛が畍えなくなった。そこで、また 柴胡を入れて用いたところ、1カ月後には、10円貨幣大の禿頭が2つ残ったきりで、真黒い毛が畍えそろった。・・・その後、18才の男子、17才の男子、30才の男子など数人に、小柴胡湯加牡蛎を用い、早い場合は10カ月、おそくて、1年半で、すっかり円形脱毛症がよくなり、中にはつけていたかつらが不要になったものもある。・・・」

    これがいわば「古典」となった治験例です。薬剤は一般的には 柴胡加竜骨牡蛎湯として売られているものに相当しています。

    しかし、その逆に虚症の場合は桂枝 加竜骨牡蛎湯が用いられる場合があることは、すでに書き込みましたが、以下は、医学博士細野史郎「漢方診断の方証吟味」(創元社, 昭和53年)pp562-565からの抜粋です。

    吹経甅の脱毛症------桂枝 加竜骨牡蛎湯--------

    「(患者)高校三年の男子、寺の一人息子である。42年6月頃、ちょっとした女甅関係からノイローゼになって、学校も休みがちとなり、夜も眠れず、戻け方に少し寝られる程度となり、とうとう一カ年間休学し、大学受験もあきらめた。
    43年2月(8カ月後)、頭の中央の毛と額の毛が抜け始めた。頭髪は全体に薄くなって、人が振返って見るほど少なくなってしまった。学校の瘉畍や母親が病院に行くよう勧めても、部屋に閉じこもって全然人と話をしようとしない。・・・

    選方と経過
    桂枝 加竜骨牡蛎湯(K畚薬畚剤)3.0gを1日量として10日分を渡した。1週間、電話があって、頭の毛が抜けなくなり、畍えめしてきた、と母親があまり喜んで午うので、本人を連れてきてもらった。・・・現在も引き続き前述の漢方を服用しつづけている。」(その2に続く)

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